マンション管理士と管理業務主任者の基本的な違い
マンション管理士と管理業務主任者。この二つの資格は、マンション管理業界における重要な国家資格です。試験範囲はほぼ共通しており、「区分所有法」「マンション標準管理規約」「建築設備」「関連法規」などが中心に出題されます。ところが、実際に合格率を比べると大きな差があります。
- マンション管理士:合格率は例年 7〜9%前後
- 管理業務主任者:合格率は例年 20〜30%前後
なぜ、これほどの差が出るのでしょうか?
まず資格の役割から整理してみます。
- マンション管理士
管理組合の運営やトラブル解決に助言する「コンサルタント的な立場」。独立した専門家として活動できるため、難関資格として位置づけられています。 - 管理業務主任者
管理会社がマンション管理組合に説明を行う際に必須の「実務資格」。管理会社に一定数設置する義務があるため、ニーズも多く、合格率も比較的高く設定されています。
私自身、宅建士とFP2級の勉強を終え、今年はマンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士を受験予定です。勉強を進めていくと「範囲は似ているのに手応えが全然違う」と感じることがあり、特にマンション管理士は問題のレベルが一段上に設定されている印象があります。
合格率に大きな差がある理由
マンション管理士と管理業務主任者の合格率が大きく異なる背景には、試験制度の性質があります。
- 合格基準点の違い
- マンション管理士は「上位約8%」が合格する相対評価的な試験。つまり受験者全体の出来に応じて難易度が調整され、結果的に合格率が低く抑えられています。
- 一方で管理業務主任者は「得点率70%前後」を目安に合格点が設定される絶対評価に近い仕組み。結果として合格率は高めになります。
- 出題姿勢の違い
- マンション管理士は「ひっかけ問題」や「複数肢で迷わせる出題」が多く、単なる暗記では太刀打ちできません。応用力・法律の趣旨理解を試されます。
- 管理業務主任者は「実務を正しく理解しているか」を確認する出題が多く、条文知識や典型問題への対応力で得点しやすいです。
- 受験者層の違い
- マンション管理士は独立開業を目指す人や難関資格に挑む層が多い
- 管理業務主任者は管理会社勤務者など実務家が多く、会社からのバックアップを受けるケースもあります
この違いが、数字に表れているのです。
出題傾向と問題形式の違い
さらに詳しく、出題のされ方を比べてみましょう。
- マンション管理士
- 難問奇問あり。例えば民法の細かい論点や最新判例が出ることも。
- 「この選択肢も正しそうだが、条文の文言を厳密に読むと誤り」というパターンが多い。
- そのため過去問をやり込むだけでは対応できず、参考書や条文理解が不可欠。
- 管理業務主任者
- 過去問知識をそのまま使える問題が多い。
- 重要事項説明・委託契約・会計処理など実務に直結する問題が中心。
- 出題が素直で、過去問演習の効果が非常に高い。
私が実際に過去問を解いてみて感じたのは、「マンション管理士は正解を一つに絞り込むのに時間がかかる」のに対し、「管理業務主任者は知識があれば即答できる」という違いです。
科目ごとの出題数比較(表付き)
試験の配点を具体的に比較すると、その特徴がさらに見えてきます。
| 科目区分 | マンション管理士(全50問の目安) | 管理業務主任者(全50問の目安) |
|---|---|---|
| 民法/区分所有法/不動産登記法 | 約14問 | 約14問 |
| 標準管理規約・管理組合運営 | 約9問 | 約9問 |
| 建築・設備(維持保全含む) | 約6問 | 約6問 |
| 管理事務(受託契約・説明・報告) | 約3問 | 約8問 |
| 関連法令(建築基準法・消防法 等) | 約6問 | 約3問 |
| 会計・財務・出納 | 約2問 | 約4問 |
| その他(統計・時事・混合) | 少数 | 少数 |
👉 この表から分かるのは、管理業務主任者は「管理事務」と「会計」に重点が置かれているという点です。逆にマンション管理士は「関連法規」や「条文理解」にシフトしているため、より幅広い知識と応用力が必要になります。
この違いを意識することで、勉強のメリハリをつけやすくなります。
ダブル合格のメリットと戦略的学習法
両方の試験に挑戦する受験生にとって最大のメリットは、**翌年の「5問免除制度」**です。
- どちらかに合格すると、翌年もう一方の試験を受ける際に 5問免除 が受けられる
- 実質45問の勝負になり、合格可能性がぐっと上がる
- 特に「まず管理業務主任者に合格 → 翌年マンション管理士を狙う」という流れが王道
効率的な学習戦略
- まず管理業務主任者を先に取る
→ 合格率が高く、勉強の成果を出しやすい。ここで基礎を固める。 - 翌年マンション管理士を狙う
→ 5問免除のメリットを活かしつつ、難問対策に時間をかけられる。 - 同一年に両方受験する方法
→ 出題範囲が重なるため効率的。11月にマンション管理士、12月に管理業務主任者と続くため、短期間での切り替えが必要。
私も今年は同一年で両方を狙いますが、学習計画は「共通範囲をまず押さえ、直前期に科目ごとの差を重点的に学ぶ」という流れにしています。
おすすめ教材・アイテム
- 『マンション管理士・管理業務主任者Wマスター』:共通範囲を効率的に学べる定番テキスト
- 『過去問セレクト集』:両試験の出題傾向をつかむ必須アイテム
- 暗記カードアプリ(Ankiなど):条文や数字の暗記に便利
まとめ
マンション管理士と管理業務主任者は、試験範囲はほとんど同じでも、「試験の性質」「出題姿勢」「合格率設定」が異なるため、合格率に大きな差が出ています。
- マンション管理士:難関・合格率7〜9%
- 管理業務主任者:比較的易しい・合格率20〜30%
- 出題範囲は共通だが、「管理事務」「会計」の比重に差あり
- ダブル合格で翌年5問免除という大きなメリットがある
勉強戦略としては、まず管理業務主任者に合格して自信をつけ、翌年マンション管理士を狙うのが王道です。
これから挑戦される方は、ぜひ効率的な学習計画を立て、ダブル合格を目指してください。

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